
生である事。ライブハウスである事。
ー 以前の座談会で、同じ役でも画のタッチが違うという話があったが…。
谷屋 あれから大分稽古を重ねてきまして。演技を見てもらっても明らかに違うと思います。タッチというか…空間に対する感触が違うと思いますね。
ー 第3楽章では円形。今回は、無限に広がる舞台という構造ですもんね。
谷屋 さらに今回はライブハウスという、舞台と客席の距離が曖昧な場所で。より共感できるような演技を心がけているんですよ。生っぽさっていうのか。目の前で動いている人間と、客席で隣に座っている人間の差が曖昧になるような…舞台で起こっている事が、あなたの隣で同じように起こりうるんじゃないか?って思わせたいんです。
ー 今回、一番苦労した所は?
谷屋 この役(ツヅキ)をやるのは3回目なんですが。どこまでやっても前に演じたクセがついてきてしまうんです。しみついているんです。同じ事をする意識は無いんだけど、ギアを入れ違えると…亡霊と闘っていますね。緩むと、ついつい。だから、稽古して来た事より、毎回感じた事を…生である事を意識してやっています。
あなたの近くにいたい
ー 今年は協走組曲の1年でした。どの作品に一番思い入れがありますか?
谷屋 僕は最新作が最高傑作だと思っているので。当然、今回が一番です。振り返ると、序章は青かったなと思います。こういう事をやりたいんだというものを出しただけだった。第2楽章はお祭りで、パフォーマンス性が高くて。リンクスというイベントを盛り上げる為のものだった。第3楽章は、それを踏まえての本公演。今年、俺たちはこれなんだという立場表明はできたと思うんです。
ー そして今回は?
谷屋 今回は、「よりあなた達の近くにいたい」という作品です。
ー なるほど。谷屋俊輔的な見所は?
谷屋 やはり、ライブハウスで流れる音楽ですよね。そしてそれを受けた俳優が演じる人物達の生き様。あと…石神の狂いっぷり
ー あと谷屋さんのリズム感。
谷屋 (苦笑)そこには暗転が入りますから。お願いします。