先日の初通しを終え、稽古場では修正を重ねています。

主役の佐藤君曰く「2周目のシーン稽古」。
僕はこの時間が大好きです。
通しを終え、ゴールまでの道のりが見えた事で、今まで判断のつかなかった事に「YES/NO」が出せるようになる。
余裕が生まれた事で、新たなアイディアが出るようになる。
0を1にするのは大変で、ピリピリしますが、1を100に変えるのは楽しい。
何なら、100以上にもなる可能性がある。
早くもその効果はあり、稽古場の熱は上昇。
俳優の表情が豊かになっている気がしました。




今日は序盤1/3を重点的に反復。
3面に囲まれている事を意識し、立ち位置を修正。
全体のバランスを考え、スピードアップする箇所と、間を取る箇所を整理。
こうすればもっと面白い、ああすればもっと深くなる。
アイディアが出る稽古場になりました。
僕は演出としてそれらを纏めつつ、新しい課題を設定し俳優をそれに向かわせねばなりません。

俳優にはノビノビと。それにブレーキと壁を与えるのが僕。
この作品はタイトルにもある通り、一組の少年少女のお話です。
でも、出てくる登場人物にもそれぞれのドラマがあり、葛藤があり、成長があります。
僕の生み出した無機なそれに、俳優が命を与えてくれる。
その人物の長い人生の2時間を切り取った、そんな作品になればいいと思います。
僕はヒューマンドラマが大好きで。
笑って泣けるものが大好きで。
葛藤しながら成長する人間が大好きです。
派手じゃなくてもいい。心が動く、そんな作品を創りたい。
スロウステップスマイルは、そんな僕の想いを具現化しつつ、ゆっくりと1歩ずつ前に進んでおります。
虎本剛