次こそは、次こそは。
多分みんなそう思って稽古に臨んでくれたんだと思います。
いいものを作ろうという気持ち。
うまくいかなかったところを、もっとよく考えて、テンポを上げてみたり、
声を強く出してみたり、絞り出すように気持ちを高めたり。
目をそらしてしまうところをしっかりと見つめてみたり、
間をもたせてしまうところを、勢いをつけて喋ってみたり。
すべては、1回っきりの本番に向けて。
それを見に来てくれるお客様のために。
みんなが撮ってくれた写真が、ありがたいんで、何枚も載せたくなってしまいますね。
稽古も、こないだの「スロウステップスマイル」が終わってから程なく始まったので、
一ヶ月ちょい。僕らはそんなに器用ではないから、みっちりと期間を取らなきゃできなくって。
一ヶ月、結構大変な時間だったと思います。
劇団員も、出演してくれる外部のキャストさんも、みんなそりゃ、お疲れもたまっておるでしょう。
あと2日間、お力、貸してちょうだい。
アミさんは、今日の帰りになんだか疲れすぎてて、女の子と焼肉に行きたい。だなんて言ってたけど。
このコメントを、面白くブログに取り入れることは僕にはできなかったよアミさん。
別の話をしますね。
前回のお芝居あたりから、僕の挑戦としては
ただ一つの武器は勇気
って事を、心ん中に持って、稽古に取り組んできました。
あんまり、その、演劇論とか、稽古論とか語ってしまうのは、格好良くはないんだけれども。
作品のために、もしかすると出演者の誰かも読んでくれるかもしれないので、書いてみます。
これが正しいってことは思ってないけれども、一つの考え方として。
正解、ってないんです。稽古場には、多分。
劇的な状況の中にあって、登場人物が吐く台詞っていうのは、言葉っていうのは、示す態度っていうのは、
人を勇気づけるものである可能性があるし、人を傷つけることである可能性もある。
もしくは、それも、立ち直れなくなるほどに強く。
っていうか、それはお芝居の台詞よりも、人生の中でよくある話じゃないかなって思うんです。
大小あるにせよ、ちょっとした発言で、「え?えぇ?そこまで怒る??」ってことがあったり。
後々になって考えてみると、その人に対して、最悪のタイミングで最悪の言葉をかけてしまっていたり、
悪気がなかったとしても、こちらのコンディションが悪かったとしても、
時間は戻らない。
後悔として、心に刻まれることになるだろうと思います。
お稽古でもそうで、
毎回違うことをする(違う結果になる)
ということと、
毎回違う挑戦をする
ということは、なにか、ちょっとしたことだけれど、大きな隔たりがある。
また、同じことを繰り返す、というのも少し怖い。
人生やり直しマシーンが目の前にあったとしても、僕は、好きな女の子に好きだって言えるかっていうと、保証はない。
怖いもんね。
稽古場は失敗する場所だ、とよく言われます。
考えて、考えて、考えて、感じて、トライして、エラーする。そして、また考える。
こういうエラーはありだ。
考えずに、感じるままに、なんとなくやってエラー。これはもちろん違う。
失敗する勇気。
やっぱりこれがいるんだと思うんです。
で、ただ、やみくもに失敗すればいいのかっていうとそんなんじゃなくって。
目の前にいる人の人生を左右するかもしれない行動や態度や言葉を、勇気を持って、発信する。
絶対に失敗しちゃいけない、って感覚を常に持って、失敗を恐れず演技をしてみる。
矛盾するけれど、これは演劇の稽古だからできることなんですな。
失敗しても、次の稽古で修正すればいいもの。
でも、ゲートキーパーはそうはいかない。自殺は、そうはいかない。
その他いろんな、人生の物事も、もちろんそうはいかない。
次はない。
台本通りには進まないんです。
俳優が俳優であることを投げ出して、目の前にいる大切な人のことを思うことで、
もう一つ、面白いものになりそうな、今です。
そして、そういった物事ってのは、ちょっと思い返せば、見に来てくれたあなたの、
普段の生活の中に、いくらでもあることなんです。
その手を
差しのべる側であれ、差し出される側であれ、
僕らが、舞台上で、本当の勇気を見せることができれば、
この作品はきっと見に来てくれた人に強く届くんだと思っています。
恥ずかしかったり、怖かったり、自分を守りたい気持ちを捨て去って、
目の前の相手のために、勇気を持ってさらけ出す。
ちょっと、どきどきするかもしれませんが、とても、勇気をもらえる作品になってると思います。
ま、たかだか、演劇でもらえる勇気なんて
電車で席を譲ったり
道に迷ってそうな人に声をかけたり
そんな程度ですけれど。
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ステージタイガー 松原公演
「I CONTACT」
3月16日(土)15:00開演
※ 開場は開演の30分前
於 松原市文化会館
近鉄阿倍野駅から南大阪線 準急で11分 河内松原駅から徒歩15分
天王寺から30分あればたどり着ける劇場です。
➡︎ 詳しい行き道ブログはこちらをご覧ください 「松原市文化会館へのアクセス方法」
料金 無料!
ご予約 ➡︎ こちらのフォームからご予約お願いいたします
お待ちしております。