最優秀? 優秀? とにもかくにも、特攻舞台Baku-団が賞をいただきました。
公に発表できるもので、賞をいただいたのは、初めてです。
ありがとうございます。
と、前置きはやめて。
めっちゃうれしいい!
叫ぶぜ!
めっちゃあああああああ! うれしいいいいいいいいいいい!!!!!
僕は、今の気持ちを、僕の言葉で書きたい。
実は、スペースドラマに挑むのは3回目(1回は特別招致劇団枠で、対称外)で。
つまり、今まで2回、負けていた。
演劇に勝ち負けなんてないかもしれないが、あの2回、特攻舞台Baku-団は「負けて」いたと思う。
作品の内容だけではなく、劇団として、いちクリエイターとしてアーティストとして、社会人として、未成熟であったと思う。
最初の年、旗揚げ3年目で「トゥルーフェイスとオンド」でプロレスの芝居をして。
とにかく無我夢中で。これがきっかけで鈴木が入団した。でも、賞は取れなかった。
5年目、僕のわがままで劇団員だけで役者をまかなった「絶望プゥール」。
紙芝居の要素を本編にも取り入れて。1ヶ月くらいしかない稽古期間でやっぱり無我夢中で。僕はとても好きな作品だったんだけど。これを観て、阿比留が入団して。でも、賞は取れなかった。
そのたびに、へこんで、悲しんで。自分たちに何が足りないのか、考えて。
自慢じゃないけど、劇団内で、過去、ひたすら賞にこだわってきたのが、誰あろう僕だった。常に、賞を取ることを考えていた。それはそれは愚かなほどこだわっていた。
そして今年。
例年と比べて、僕は「賞がほしい」という事はいっさい口にしなかった。
口にすると、大切な何かが逃げていきそうで、言えなかった。
硬派な男の、女性に対する「愛している」と同じくらい、価値のある言葉として言えなかった。いや、多分、怖くて言えなかった。
が、8月に入り、別の意味で、口にしなくなった。
この病的船団という作品にたずさわっていただいた数多くの人々に触れ、賞を考える頭が完全に消えていた。賞を取って欲しいと思っていた人には謝らないといけない。
本当に僕は作品を作り、届け、よりたくさんの人に観てもらう事だけを考えて、賞のことを忘れていた。
千秋楽を迎え、劇場関係者から「10日に発表します」と言葉をもらってようやく、思い出した次第だ。
実は公演が終わってから10日間は、その事が急に思い出されたのもあって頭を離れず、毎日ピリピリしていた。そのことを代表の杉岡と副代表の谷屋以外の劇団員は知らない。
今、ようやく落ち着きを取り戻しつつある。
あのとき、負けて涙した僕らと、今回の僕らは何が違うのだろう?
ゆっくりと考えたい。
今わかっているのは、僕たちが作品を作るには、とほうもない時間がかかる事と、たくさんの人の応援をいただいているという事。
スペースドラマの劇評ブログでは賛否両論あるようだけど、どの劇評にも共通して出てくるのが「客席の暖かさ」と「観客に愛されている劇団」という言葉。
最高じゃないか。特攻舞台Baku-団はそれでいいじゃないか。
僕は誓う。
あつくるしがられても、ここに誓う。僕は観客に愛され、より多くの人たちに届く作品を作る。そんなものを書く。
それは幸せかもしれないし、時に痛烈な毒かもしれない。ド下品な下ネタかもしれない。
劇団員を坊主にするし、ガチンコで殴り合うし、放送禁止用語も大量に飛ぶ。
しょっちゅう裸になる。
でも、僕らなりの愛をぶつけていきたい。
最優秀作品賞じゃない、最優秀劇団賞をもらえた事が僕にそう気づかせてくれた。
僕は器用なタイプでもないし、スマートなものいいもできない。素直に気持ちを口にするのは苦手だ。けど、今回は。
今回は、本当に、心の底から言わせてください。
ありがとうございました。
キャスト、スタッフ、客席、とにかく全ての僕が知っている、僕を知っている人に。
皆様のおかげで、ここまでやってこれました。
これからもよろしくお願いします。
特攻舞台Baku-団
水本剛
posted by ステージタイガー at 02:56| 大阪 ☁|
【旧】稽古場日記
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